《日本のグローバル化は実は間違っている》
Tip Top Job東京の黒田です。私もブログを通じて日々、グローバル化を発信しておりますが昨今の日本国内でのグローバル化の動きにおいて外国人の目線から見ると少し疑問点があるようです。国内企業や政府の動きを見てみると、小学校の英語教育必修化、大手企業の社内英語公用化、安倍政権の世界大学ランキングトップ100に10校のランクインを目指す改革など全体が英語というものの重要性を説き一般家庭においても国内のインターナショナルスクールに我が子を通学させるということも当たり前になってきております。しかし、日本に留学中の外国人が思うグローバル化と日本の思うグローバル化にはズレが生じているようです。
■日本のグローバル化に足りないもの
本来のグローバル化の意味とは、「世界的、国際的な舞台で働き競争力を得て世界的な視野で物事を俯瞰する」というものです。しかし、昨今ではグローバル化と言いながらも大きく足りないものが2点あります。
《日本の移民制度》
歴史的な背景も重なり、日本という国は諸外国と比べても永住権がとても取得しづらい国であります。永住権取得の最短ルートとしては配偶者が日本人である必要があり、外国人が長年にわたり国内就労をし、日本国内に対し貢献をした実績を持ってしても一般職であれば永住権取得はとても難しいです。
《外国人の雇用》
働き方改革などの影響もあり以前に比べると、外国人雇用は活発化されてきておりますが、雇用をしても果たして外国人労働者の背景にある文化理解をしてうまく活用できているでしょうか? あくまで現場では、他言語を話す日本人ぐらいで扱われていることも往々にして存在しております。日本古来から存在する企業文化や縦社会の人間関係を外国人労働者に押し付け、あくまで従うべきは日本のルールだと主張し、互いの文化を認識することができていない側面も存在します。
■英語教育の問題点
無論、全ての教育現場に当てはまる訳ではありませんが英語教育をする際に英語力が不十分な日本人教師が教えている場合も少なくありません。英語のライティングやリーディング、文法スキルが特化していたとしても外国人と英語を使いコミュニケーションができない人材も数多く存在し、ツールとしての英語ではなく強化としての英語になっております。大学などに在籍している外国人留学生と日本人学生との交流の機会を作ることも今後の課題となっており、実際も現場においては日本人と外国人で別々のコミュニティーができているのが現状です。大学側に関しても、日本人と外国人のボーディング(寮)を別々にするなど、両者を別個として扱う傾向があり本来自然な形で執り行われるコミュニケーションに関しても不自然さは否めません。このような事象は、折角あるグローバル化をみすみす逃しているのと同じことです。
上記以外にも様々な課題が残されておりますが、課題解消にために行うべき大切なことは国民一人一人の意識改革ではないでしょうか。現在の意識としては《国内においてたくさんの外国人を呼び、国民全体の英語力の底上げ》こそがグローバル化の近道を考えられているのではないでしょうか。しかし、求められるべきは多様性であり均質性ではありません。すなわち、表面的な異文化理解ではなく深い異文化理解が必要になります。語学力においては二の次、三の次です。英語話者であっても相手の理解していないと本来持っている語学力を本当の意味で生かすことはできません、その逆に語学力が低い話者であっても相手の背景を理解することができれば、コミュニケーションは可能となります。今こそ、日本の国民性の更なる進化が必要な時はないでしょうか。すでに次世代に向けたイノベーションは始まっております。国民一人一人が開国すべき時がきております。
TIP TOP JOBは《語学力》だけでなく、《語学力×留学経験》という価値を求めている企業と求職者の間に入って留学後の人生をサポートしていきます。